【稽古レポート】殺したいほど意地悪なおじさんって?![仮名手本忠臣蔵]

こんにちは。
若草歌舞伎の玉置晴菜です。

仮名手本忠臣蔵は、元禄時代の赤穂浪士の討入り(通称「忠臣蔵」)を南北朝時代の「太平記」の背景に置きかえて脚色された全11段に及ぶ大作の時代物で、浅野内匠頭は「塩谷判官(えんやはんがん)」、吉良上野介は「高師直(こうのもろなお)」、大石内蔵助は「大星由良之助」という役名で登場します。

大序では、高師直(将軍の執事で幕府の行事を仕切る高家筆頭)が大名塩谷判官の妻(宮中随一の美貌の顔世御前)への横恋慕を桃井若狭乃助(塩谷判官の大名仲間)に見られ、若狭乃助をいじめます。2段目で若狭乃助は師直を討つ決意を加古川本蔵に示します。

今回、朗読歌舞伎で演じさせていただくのは、3段目(足利館門前進物の場・松の間の場)です。足利館の門前で本蔵は家来の鷺坂伴内を通じて師直に賄賂の進物を贈り、殿中で若狭乃助が師直に斬りかかると、師直は低頭平身して詫びます。師直の鬱憤の矛先はひと足おくれて登場した判官へ向かい、猛烈にいびります。ついに忍耐が切れた判官は脇差を抜いて師直に斬りつけようと刃傷事件を起こしますが、本蔵に抱き止められ討ちもらしてしまうのです。

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朗読歌舞伎のお稽古では、菊月先生が一つ一つのセリフの意味や感情を丁寧に指導してくださり、小学生から高校生までの各メンバーが奮闘しています。私が務めさせていただく高師直役は、怒ったり、いじめたり、ゴマをすったり、コロコロ変わる感情をセリフだけで演じ分けるのが難しく、日々精進と思いお稽古に励んでおります。

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3月29日、30日に月島社会教育会館で、皆様にお披露目をさせていただきます。是非とも足をお運びになり、ご高覧くださいますよう、お願い申し上げます。

(Reported by Haruna Tamaoki[若草歌舞伎])

 

2016春公演演目紹介《あらすじとみどころ/配役》
 仮名手本忠臣蔵 〜三段目〜
 河内山
 釣女
 茶壺
 三人吉三巴白浪 〜大川端庚申塚の場
 白浪五人男 〜稲瀬川勢揃いの場
 かっぽれ
 口上