【演目】
名台詞が多く、歌舞伎の演目としても人気のある「白浪五人男」。
その名の通り、日本駄右衛門(にっぽんだえもん)、弁天小僧菊之助(べんてんこぞう きくのすけ)、忠信利平(ただのぶ りへい)、赤星十三郎(あかぼし じゅうざぶろう)、南郷力丸(なんごう りきまる)の五人の白浪(=盗賊)のお話です。
今回演じるのは、その中でも名場面として有名な「稲瀬川勢揃いの場」です。白浪五人男が捕手(=罪人を捕える役人)と対峙し、名乗りを上げ、大立ち回りを演じる大変見応えのある演目です。
【稽古の様子】
新人は一年生ひとり、二年生ふたり、三年生4人の計7名です。
浴衣を自分で着る練習にはじまり、礼儀作法、発声、日本舞踊、立ち回りと初めて尽くしのお稽古を経て、白浪五人男の台本をいただきました。
台詞合わせが始まった当初、慣れない言葉遣いや独特の抑揚に困惑していた子供達ですが、日を追うごとに台詞回しもスムーズになっていきました。チームワークも出てきて、お互いに動きを確認し合ったり、どうすれば動きやすいかなど相談し合う姿も見られます。
その新人メンバーを力強くリードしてくれるのは三人の先輩方。五年生ひとり、六年生ふたりの加勢を受け、総勢10名で舞台に臨みます。
今回は5名ずつふたつのグループに分かれ、一方が白浪五人男を演じる際は、もう一方は捕手を演じ、それを入れ替えて二度舞台に上がります。主役はもちろん白浪五人男ですが、捕手も重要な役どころ。台詞も立ち回りもあるので、覚える事も2倍!その上着物を着て、下駄を履き、番傘や十手を扱いながら演じるのですから難易度はさらに上がります。皆必死に動きを覚え、先生の細かなアドバイスに耳を傾け、できるようになるまで何度も練習しています。
【本番に向けて】
日に日に緊張感が高まり、稽古中の子供達の顔つきにも真剣味が増しているのを感じます。
日本駄右衛門の台詞に、「悪事はすれど非道はせず」、「義賊と噂高札に」とあるように、盗賊ではあるけれど筋の通った男気あふれる白浪五人男。この魅力的な五人を、子供達が本番でどう演じてくれるのか楽しみでなりません。
これまで積み重ねた努力の成果を遺憾無く発揮し、それぞれに舞台での時間を楽しんでくれることを心から願っています。
Reported by 保護者