白浪五人男のお稽古も大詰めを迎えています。
「白浪五人男」は、こども歌舞伎において、新人の登竜門とも言える演目です。
今回、新人八名と先輩とで演じます。最初は着慣れないお稽古着で動くこともぎこちなかった新人も、二か月の間でいろいろなことを学び、成長してきました。
白浪とは泥棒のこと。五人の盗人が「志ら浪」と書かれた番傘をさして登場します。
新人には、低学年の子たちも多数います。普段使う雨傘と違って、とても重たい番傘を持つ手がプルプルと震えます。それでも片手でしっかりと支えて見得をきる子どもたちの雄姿を是非みなさまに観ていただきたいです。
その後、舞台に出て、稲瀬川の土手を背景にして五人が勢揃いし、名乗りをあげる場面が一番の見どころです。
盗賊一味と言っても、五人それぞれの特徴、見得の切り方も違いがあります。
それぞれの役の特徴をつかみながら、軽快に読みあげる七五調の名台詞と子どもたちの精一杯の見得をお楽しみください。ご観覧のみなさまも、是非大向こうで一緒に場を盛り上げてください。(『大向こう』とは?)
また、最後の立ち回りでは、捕手役の若草やこども歌舞伎の先輩たちを、五人男役の新人が踏んづける場面もあるのです。息の合った立ち回りにもご注目ください。
新人たちは、まだまだ先生や先輩から教わることがたくさんあります。保護者もハラハラ見守っています。本番まで残り少ない日々、さらなる研鑽を積んでいきたいと思います。
(Reported by 新人保護者)