歌舞伎十八番の一つ、能『安宅(あたか)』をもとにした松羽目物で、頻繁に上演される人気の演目です。
前半の弁慶と富樫の手に汗握るセリフのやりとり、後半の華麗な舞、そして弁慶が「六方」とよばれる独特の動きで退場していくシーンがみどころです。
あらすじ
朝廷から官位を授かったことで兄頼朝の怒りを買ってしまった義経は弁慶や四天王と共に、山伏姿に扮して奥州(東北)へと旅を続けています。途中、加賀の安宅の関(現在の石川県小松市)を通ろうとすると、関所にはすでに「義経一行は山伏姿で旅をしている」という知らせが届いており、足止めされてしまいます。
弁慶はなんとか義経を守って関所を通り抜けようと、関守(せきもり)の富樫の尋問に次々と答え、ついに関所を通る許しを得ます。が、いざ通りぬけようとすると富樫の部下になおも疑いをかけられ、やむなく弁慶は主の義経を金剛杖でたたくのでした。
なんとか関所を通り抜けた一行。弁慶が危機を脱するためとは言え、主を杖でたたいたことを詫びていると、先ほどの関守富樫が現れます。実は一行が義経主従だと気づいていた富樫は、あえて厳しい問答をすることで一行が疑いを持たれないようにして関所を通らせたのです。
義経主従は富樫に感謝をしつつ、奥州目指して旅を続けるのでした。
キャスト
A | B | C | |
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武蔵坊弁慶 | 齋藤すみれ | 岡田凱 | 力石明 |
富樫左衛門 | 和田花梨 | 玉置晴菜 | 坂田峻之介 |
亀井六郎 | 三縞柚果 | 船津知華 | 齋藤すみれ |
片岡八郎 | 前田彩花 | 今塚舞桜 | 和田花梨 |
駿河次郎 | 坂田峻之介 | 和田花梨 | 飯田織夢 |
常陸坊海尊 | 今塚舞桜 | 北島剛希 | 奥山佳穂乃 |
番卒 軍内 | 飯田織夢 | 三縞柚果 | 船津知華 |
番卒 兵内 | 船津知華 | 川野輪真央 | 三縞柚果 |
番卒 権内 | 椎名洸勝 | 板倉琉世 | 鶴谷悠平 |
太刀持 音若 | 岡田凱 | 石井悠翔 | 成島心太朗 |
源 義経 | 北島剛希 | 松島千明 | 石井悠翔 |
後見 | 力石明 | 齋藤すみれ | 北島剛希 |
奥山佳穂乃 | 坂田峻之介 | 椎名洸勝 | |
川野輪真央 | 鶴谷悠平 | 玉置晴菜 |
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三味線 | 石井悠翔 | 飯田織夢 | 今塚舞桜 |
鳴物 | 玉置晴菜 | 前田彩花 | 前田彩花 |
その他の演目紹介・キャスト
◆「操り三番叟」【歌舞伎舞踊】
◆「釣女」【松羽目舞踊】
◆「三人吉三巴白浪 〜大川端庚申塚の場〜」
◆「仮名手本忠臣蔵 三段目」【義太夫】
◆「かっぽれ」【歌舞伎舞踊】
◆「口上」