今回は歌舞伎の特徴の一つ、口上のお稽古風景をレポートします!
口上とは、その日出演の役者が、来ていただいているお客様に感謝の気持ちを述べる演目です。台本を一見すると普段私たちが話す言葉が並んでいますが、いざ声に出すとなると、歌舞伎独特の抑揚やリズムに乗って話さなければいけません。一度舞台で経験すれば身に付くのですが、初めての新メンバーにはとても難しいこと。そこで若草の先輩方が、お稽古の合間に口上のお稽古をつけてくれました。
事務所の隅を借り、大きいお兄さんと小さな子どもたち。頼もしい後ろ姿と並ぶと初々しく、可愛らしいです。普段は教えられる側でも、今は教える側で張り切るお兄さんたち。一人ひとりセリフが違うので、読みながら細かいイントネーションなどを丁寧に指導してくれます。先輩を真似して、一生懸命セリフを読む新人メンバーたち。少し難しかったかもしれないけど、頑張ってついて行けたようです。
さて、口上の総ざらいは日本橋社会教育会館の講習室で行われました。ここでも若草の先輩方は大活躍。こどもたち全員に口上の作法を教え、すべての班の場当たりを取り仕切ります。新人の番になると、横に座った先輩方がサポートします。全員で舞台にあがる千秋楽最終回の口上の並び方も若草の先輩方の指示に従って決まり、子どもたちは前に座る先輩の背中を見ながら動きの確認を終えました。
こども歌舞伎と若草歌舞伎は、こうしてお互いに教え、教えられながら日々成長し、相手を思いやり敬う気持ちを育てているのです。口上上演の折には、ぜひそうした信頼関係にも目を向けてご覧ください。
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