『三人吉三巴白浪』は、名歌舞伎作者で昨年没後130年を迎えた、河竹黙阿弥の人気作。
和尚吉三、お坊吉三、お嬢吉三という同じ「吉三」を名乗る三人の盗賊が、節分の夜、盗んだ百両の大金をきっかけに運命的な出逢いを果たし、義兄弟の契りを結ぶ、というのが今回演じる「大川端庚申塚の場」のあらすじです。
指導してくださる立花志穂先生は、浴衣の着付け方や発声練習から丁寧に教えてくださり、基礎基本の大切さを改めて実感しながら、日々のお稽古に励んでいます。
先生はセリフ1つひとつの意味や心情を丁寧に説明して下さるので、複雑な胸の内の探り合いや、粋なセリフの言い回しを、小学校中〜高学年になった子供たちも理解でき、場面や心情を考えた役作りをがんばっています。
親分肌でどんと構えた貫禄があり、懐の深さも魅力の和尚吉三。お嬢とお坊の立廻りを止めに入るタイミングや、台詞を言いながら半てんを畳んだり、腕の傷を手当てする動作は難しく、手慣れた手付きに見せるため、何度も練習を重ねてきました。
イケメンでとにかくカッコ良い悪役のお坊吉三は、女の子2人が演じます。台詞はカッコよく、刀の扱いは美しく。観客から見たときに美しく魅せるにはどの向きでどう動けば良いかを考えながら、立廻りの練習に励んでいます。
最後に、お嬢吉三役とおとせ役をダブルキャストで演じる2人に、意気込みを聞きました。
お嬢吉三役のダネブ璃南です。
お嬢は、男の人が振袖を着て女の人に化けているのですが、男として素にもどって話すときの声の出し方が難しいです。男だけど少し柔らかめの声というのがどんな感じなのか想像しにくくて、つい力が入って強すぎる声になってしまいます。男から女、女から男に急に変化するところが面白くて気に入っています。お坊とお嬢の立ち廻りシーンも注目してもらえたら嬉しいです。
お嬢吉三役の木村心春です。
お稽古はとても楽しくて、やっぱり私は歌舞伎が好きだなと思って、毎回お稽古に行くのを楽しみにしています。私はまだまだ声が小さいので、お嬢の高い声を強く前に届けるように出すのが難しいです。本番ではお客さんにしっかり声が届いてセリフや思いが伝わるようにがんばりたいです。お坊と和尚と3人で力を合わせて、かっこ良い舞台になるようにがんばります!
皆さま、是非本番をお楽しみに!
Reported by りな、こはる、保護者