今回ご紹介いたします演目は、「伽羅先代萩 花水橋の場」。こども・若草歌舞伎の13名が挑戦します。
黒沢官蔵とその配下の諸士たちは、主君足利頼兼を襲おうと花水橋のたもとに潜んでいます。そこに駕籠で通りかかる頼兼。暗闇の中、頼兼は酔いながらも悠然とあしらいます。更にお抱え力士の絹川谷蔵が駆けつけて、一味を見事に蹴散らします。
今回は、頼兼、谷蔵を演じる4名に意気込みを聞いてみました。
まずは、頼兼役(一班)の岡田凱君です。
「みんなの立廻りが面白くて、僕も楽しませてもらっています。僕だけ大きくてすみません。酔っ払いの芝居は難しいです。表現の強弱に気をつけて、みんなに負けないように役を務めたいと思います。」
頼兼役(二班)の樋口玲美ちゃんです。
「私の演じる殿様足利頼兼は、お酒を飲んでふらふらしていながらも、優雅に敵をあしらってしまえるところが不思議な魅力だなと思っています。だから、所作を美しくし、優雅に振る舞いながら敵を颯爽とかわせるよう練習したいです。それには相手とのタイミングが合わないと優雅に見えないので、みんなの動きを見ながら息を合わせて頑張ります!」
谷蔵役(一班)の奥山聖也君です。
「僕は、絹川谷蔵を演じます。ご指導いただいている先生には、「愛情!愛情が大事!」と言われています。舞台は一人ではできない。舞台、道具、人、すべてに愛情を持って助け合いながら作っていくことが大切なんだということを学びました。みんなの愛情あふれる舞台を、どうぞお楽しみください!」
谷蔵役(二班)の奥山瑞生君です。
「僕は、絹川谷蔵を演じます。谷蔵は、お抱え力士です。僕は体がそんなに大きくないので、舞台上では、大きくて力強い谷蔵を表現できるように頑張っています。先生に「かっこいいじゃん!」と言われると、とてもうれしいです。ぜひ観に来てください!」
「だんまり」と呼ばれる暗闇の中での立廻りが見せ場となっており、お稽古でも、暗闇の中という設定で相手の気配を感じながら息を合わせての練習に励んでいます。危機の中でもお大尽の殿様らしく優雅に振る舞う頼兼、その威にたじろぐ一味の滑稽な動き、また、力士谷蔵の力強い華やかな立廻りを、愛情溢れる舞台でお楽しみください!
(Reported by 保護者)