保育園慰問公演の第二回目は、東京都江戸川区にある、みどりの郷保育園で実施しました。保育園児や先生に加えて、今回は併設されている特養老人ホームの方々も公演を観に来てくださるとのこと。
二回目の慰問公演だからなのか、少し余裕の子どもたち。いつもとは違う場所で遠足気分なって園の玄関でお出迎えしてくれたPepper君に話しかけたり歌ったりと楽しそうな様子です。そんな子どもたちとは打って変わって緊張の表情の保護者の面々…。
実はこの日は、同行してくださる先生がいらっしゃいません!!
ということで、ママたちが白浪五人男に出演する子どもたちのお化粧をすることになっていたのです!それはもう、朝からドキドキが止まりません。いや、実は前回の公演のあとからドキドキが止まりませんでした。
ママたちは、前回公演時、先生が子どもたちにしてくださるお化粧を、凝視!!写真!!メモ!! そして当日はその写真やメモを見ながらみんなで手分けして一斉にお化粧スタート、まさに手に汗を握る楽屋でした。
そんなママたちのドキドキは子どもたちには全く伝わることは無く、楽しい雰囲気で今回も簡単な“歌舞伎体験教室”からスタート。
上演する「白浪五人男」の説明をしていると、一人のおばあさんから「五人男!楽しみにしてたのよ!」とうれしい言葉をいただきました。
園児さん、おじいさん、おばあさんと、先生や職員の方々と声を合わせ、捕手の台詞を大きな声で練習したり、演じる子どもたちの名前を呼ぶ掛け声、“大向う”の練習など、みんなで一体感を感じられる楽しい体験教室となりました。
園児さんたちに「白浪五人男って、かっこいいんだけど、実は泥棒さんなんだよ!」と話すと「ええー!どろぼうなの!?」という声が上がり、盛り上がったところで開演です。
前回の公演で捕手役を演じたメンバーが、五人男役を務めました。小学2年生から高校1年生まで、伝創館こども若草歌舞伎ならではのメンバー構成です。
普段の舞台とも、そして前回の保育園とも全く違う今回の舞台。
とても近くでお客様が観てくださる中、子どもたちはしっかりと動きが頭に入っていて、かっこよく堂々と演じることができました。
終演後は、車いすで観に来てくださったおばあさんと一緒に写真を撮ったり、小さな赤ちゃんとは、小さな手同士で握手をしたり、交流を楽しみました。
その後、会場には来られなかった特養老人ホームのデイケアでいらっしゃっている方たちが集まる会場に案内していただき、一人ずつ見得を切るシーンを披露。こちらでも拍手喝采!
「こっちにも回ってきてねー!」「一緒に写真を撮ろう!」「かわいいねぇ」とたくさんのお声をいただき、中には一緒に、日本駄衛門の台詞を言ってくださる方も。
名残惜しい中、拍手で送り出していただいた子どもたちは、本当にうれしそうな表情で、また慰問公演をやりたい!ほめられたよ!と口々に感想を話し合っていました。
そして、密かに「私たちもやればできる」「いや、なかなかよかった」「うん、よく頑張った」とこの日のお化粧の奮闘を称え合うママたち。
園児の皆さん、先生方、おじいさんおばあさん、演じた子どもたち、保護者も含めてみんなが笑顔で、心に残る貴重な経験になりました。
慰問公演は、初めての父母会主催ということもあり、経験をさせていただけた機会となりました。微力ながら公演のお手伝いをすることができ、子どもたちともども感謝の気持ちでいっぱいです。
(Reported by Minori Tsuda)