昨年末、最後のお稽古。少し時間が余ったところで、先生から「今年最後のお稽古だし、みんなで遊ぼう!」のご提案。いわゆるお座敷遊びを教えていただきました。
お座敷遊びとは、酒席で芸妓さんや舞妓さんと共に遊ぶゲームで、お座敷にある物を使って遊べるものがほとんどです。そして本来は「負けたら飲む」というのが原則ルール。負ければ負けるほど酔いが回るのがお座敷遊びです。
まずは「とらとーら、とーらとら」のかけ声が有名な「虎拳」。これは歌舞伎でもよく演じられる近松門左衛門の浄瑠璃「国性爺合戦(こくせんやかっせん)」の主人公和藤内の虎退治がもとになっています。。屏風やついたてを挟んで対戦相手を見えないようにし、四つん這いの「虎」、槍を持った「和藤内」、杖をついた「老婆(和藤内のお母さん)」のいずれかの振りをして、ついたてから出て行きます。いわゆるジャンケンと同じで、和藤内は虎に強く、虎は老婆に強く、老婆は和藤内に強いというルールです。
まずは調子のよい歌にあわせて踊り、まわりは三味線にあわせて手拍子で盛り上げます。
千里を走るような 薮の中に
みなさん のぞいてごろうじませ
金のねじりはちまき たすきで
和藤内がとらえたけだもの
とら とーら とーらとら
とら とーら とーらとら
対戦相手以外には、二人とも見えているところも盛り上がるポイント。みんなの反応も気にしながら何になって出て行くか勝負します。最後は、稽古見学の父兄も混じってゲームを楽しみました。
次はお湯飲みを使った「金比羅船々(ふねふね)」。
台の上においた徳利の袴に、三味線のリズムにのって交互に手を出します。徳利の袴はないので今回はお湯のみで。お湯のみが置いてあれば、パーで触るかお湯飲みをとる。(相手がとってしまって)お湯のみがおいてなければグーでその場所を触る。お湯のみを持っていれば、次に戻すか、もう一度とってもよい。この動作のルールを先に待ちがえたほうが負けです。
ゲームが進むとだんだん三味線のリズムも早くなって、どちらかが間違えるまで続くので、見ているほうもハラハラドキドキ盛り上がります。お酒が入ったらさぞかし楽しそう!
子供達が、本当のお座敷遊びができるようになるのはまだまだ先のことですが、ちょっと粋な大人の遊びを教えてもらって、楽しい1年の締めくくりとなりました。