2023年ゴールデンウィーク、石川県小松市主催の「日本こども歌舞伎まつり㏌小松」にご招待いただき、小/中学生13名が初めての遠征公演を体験しました。その貴重な体験レポート第二弾!
5月4日(木)舞台初日
石川県小松市 團十郎芸術劇場うらら大ホール 12:50開演~
舞台初日。いよいよ本番の日を迎えました。
13名の子どもたちはカツラ、衣装、メイクに加えて、手の先まで白粉をつけたり、役柄によってはお歯黒も施し、開演時間まで静かに待ちました。
古典芸能解説者の葛西聖司さんが奥御殿の見どころをお話している声を聞きながら、舞台袖に移動。
見目麗しい5名の腰元たちが主君毒殺の話題を口にする不穏な空気でお芝居は始まりました。
空腹でも健気に「大丈夫!」と言い張る子役2人の台詞に客席からクスクス笑い声や拍手も。
花道から登場する栄御前の堂々たる悪役ぶり、千松をなぶり殺しにしながら政岡を挑発する八汐の台詞回し、善人、悪人で出演者が真っ二つに分かれハラハラさせられたり、主役政岡の我が子千松の死を悲嘆する場面、子どもたちの熱演に客席も応えるように拍手の応援が続きました。
大きな拍手とともに幕が下り、花道から出演者登場、葛西さんによるインタビューでは、舞台の緊迫感から一転、素顔はあどけない子どもらしさ満点の様子や、華やかな奥御殿出演者の半数が男の子だったこと、敵役として悪の限りを演じた八汐、栄御前や我が子を亡くした悲しみを演じた切った政岡が小学生だったことに会場から溜息が漏れていました。
今回は命を狙われ続けた鶴千代役の中川皓介君と、敵役で会場を魅了した八汐役の久家就仁君にこぼれ話を伺いました。
~鶴千代~
【中川皓介】
さいしょ、セリフが飛ばないか心配だったけどお芝居が始まって、セリフを言ったら拍手をもらえたのでうれしかったし、落ち着いた。
毒のおかしを手に取ろうとして、まさおかにダメと言われて手をひっこめるところをゆっくり動くのが何度やってもむつかしかった。
小松公演におじいちゃんとお兄ちゃんが来てくれたのがうれしかった。
~八汐 ~
【久家就仁】
⭐︎本番の感想⭐︎
花道が長くて舞台が広かったのでびっくりした。かつらがチクチクして嫌だった。舞台袖で待っているとき、動きも台詞もあるので、台詞が飛ばないか心配だった。
衣裳がいつもより重くて、掛けをうまく後ろへ回せなかった。
ほしい所でお客さんが拍手をくれてうれしかった。舞台も成功したし拍手もたくさんもらえたから、小松公演に行ってよかったと思った。
⭐︎苦労した所⭐︎
義太夫に合わせて動き、ひっこむ所が難しかった。
政岡の忠義はすごいけど、八汐もそれなりの忠義がある。それを頑張って演じるのは大変だけど、やりきったら演じがいがある役だと思えて楽しかった。
⭐︎最後に⭐︎
頑張った!
Reported by こうすけ、じゅにん