【稽古レポート】ユーモラスな立ち廻りと名台詞にご注目![御存鈴ヶ森]

今回ご紹介いたします演目は「御存鈴ヶ森」。伝創館では初めての上演となるこの演目に、こども・若草歌舞伎の13名が挑戦します。

ここは江戸の刑場として名高い鈴ヶ森。時は夜。暗闇の中で雲助たちが何やら密談中。飛脚の早助から聞いたお尋ね者の美少年、白井権八を捕らえてひと儲けしようと企んでいるようです…そこへ何も知らずに通りかかる権八。
それっ!とばかりに襲いかかる雲助たちでしたが、顔色ひとつ変えずに次々と切り捨てていく権八なのでした。
その様子をじっと窺っていたのは、侠客幡随院長兵衛。長兵衛は、権八の見事な戦いぶりに心底惚れ込み、江戸での再会を約束して二人は別れるのでした。

鈴ヶ森

さて、今日は熱気あふれるお稽古場にやってきました。出演者の皆さんに意気込みを聞いてみましょう。

まずは、白井権八役、凱(かい)くん「白井権八はやってみたかった役です。3年くらい前に菊之助さんの権八を見てやってみたいと思いました。立ち回りの所が大変です。頑張りたいと思います」、同じく琉世(りゅうせい)くん「最後の公演なのでバッチリ決める!」飛脚の早助役他、太麒くん「飛脚の情けないところを面白く演技できるように頑張りたい!」同じく聖也(せいや)くん「エッサッサと登場するところを見てください!」
東海の勘蔵は、雲助たちのリーダーです。演じる麗音(れいん)ちゃん「役になりきる!」同じく優(ゆう)ちゃん「観ているお客様がわかりやすい、大きな演技をするよう心掛けています」続いて北海の熊六役、柴田一花(いちか)ちゃん「立ち廻りを頑張ります!」和尚の鉄役、瑞生(みずき)くん「手紙を読むところを頑張ります!」
あけがらすの富役、史恩(しおん)くんはいかがですか?「斬られて大の字に倒れるところを自然に演じたいです」石川の音役、相澤一花(いちか)ちゃん「立ち廻りで失敗しないように頑張ります」こうもりの辰役、恵太郎(けいたろう)くん「立ち廻りで足を斬られるところを頑張りたいです!!衣装を着たり、化粧をして本番で演じるのが楽しみです!」
最後に長兵衛役、柚果(ゆか)さん「長兵衛と権八のやりとりにご注目ください!!」同じく琥太郎(こたろう)くん「長兵衛という、僕にあった役をもらったから、長兵衛の迫力を出せるように頑張ります」
皆さん、ありがとうございました!!

鈴ヶ森

「だんまり」と呼ばれる暗闇での、美しい権八と雲助たちとのユーモアあふれる立ち廻り、長兵衛と権八の名台詞のやりとり。一人ひとりに見せ場のある見どころ満載の「御存鈴ヶ森」。出演者一同、心を一つに、力を合わせて頑張ります。どうぞお楽しみに!

(Reported by 保護者)