【演目紹介】御存鈴ヶ森

sirai四世鶴屋南北作の「浮世柄比翼稲妻(うきよづかひよくのいなづま)」は、文政六年、江戸の市村座で初演された、四幕六場からなる名作です。お家の乗っ取りを企む不破伴左衛門の一派と、対立する名古屋山三の争い、それにまつわる人々の物語です。

現在は、主家のために伴左衛門に加担する叔父たちを斬って江戸に向かう白井権八と侠客幡随院長兵衛の出会いを描く「鈴ヶ森の場」、伴左衛門と山三の争いを華やかに見せる「吉原仲之町の場」が主に上演されます。

あらすじ
chobeiここは江戸の刑場にほど近い、東海道の鈴ヶ森。夜になると追い剥ぎやたかりが集まってくる物騒な場所です。
今夜も、通り掛かった飛脚が雲助たちに身包みはがれて途方に暮れる始末。雲助たちは飛脚が持っていた書状から、白井権八というおたずね者がやってくるらしいと知り、金目当てに待ちかまえます。
そうとは知らず、権八が駕籠に乗って現れますが、実はこの駕籠かきも雲助一味。鈴ヶ森で駕籠から降ろされ金品を要求された権八は、打ち掛かってくる雲助たちを見事な腕前で斬り捨ててしまいます。
たまたま通りかかった江戸の侠客幡随院長兵衛は、権八の腕と堂々とした物腰が気に入り、その素性を知った上で江戸での世話を請け負います。権八もまた、長兵衛の器量の大きさに感じ入り、二人は江戸での再会を約束して別れるのでした。

キャスト《2018夏》(一)(二)
白井権八岡田 凱板倉 琉世
飛脚早助永野 太麒奥山 聖也
東海の勘蔵青柳 麗音菊池 優
北海の熊六柴田 一花柴田 一花
和尚の鉄奥山 瑞生奥山 瑞生
やかんの竹三奥山 聖也岡田 凱
すってんの五郎菊池 優永野 太麒
あけがらすの富杉山 史恩杉山 史恩
石川の音相澤 一花相澤 一花
こうもりの辰市毛 恵太郎市毛 恵太郎
駕籠舁板倉 琉世三縞 柚果
駕籠舁三宅 琥太郎青柳 麗音
幡随院長兵衛三縞 柚果三宅 琥太郎

2018夏公演 演目紹介《あらすじとみどころ/配役》
 御存鈴ヶ森
 お祭
 棒しばり
 釣女
 白浪五人男
 口上