義太夫は、江戸時代前期、大阪の竹本義太夫がはじめた浄瑠璃の一種で、音楽劇ともいわれる歌舞伎の真髄を担っています。本公演では三つの異なる演目を、日替わりで上演いたします。
あらすじ
(A)傾城恋飛脚 新口村の段
「梅川忠兵衛」で知られる名作です。罪を犯して逃げる息子と、親としての情と養家への義理にはさまれながらも互いを思う気持ちが切々と語られます。
飛脚屋の跡取りである忠兵衛は新町の遊女梅川を身請けしたいのですがままならず困っています。ある日、三百両を蔵屋敷に届ける途中で梅川のもとを訪れ、そこで自分の悪いうわさを言い散らかされていることに腹を立て、その金で身請けをしてしまいます。
追われる身になった二人は忠兵衛の実家がある新口村に向かいますが、すでに追手の手が届いており先に進むことができません。二人が潜む家の前を忠兵衛の父が通りかかります。
雪道に足を取られて転んだ父に思わず家を出て駆け寄る梅川。その様子に父は息子がともにいることに気づきますが、名乗りは上げず、養家が苦境に立たされていること、どうか自分の知らぬ場所で自首してくれるようにと涙ながらに説くのでした
(B)傾城阿波鳴門 順礼歌の段
ものごごろつく前に阿波(徳島)の親元においてきた娘と母の偶然の再会と別れを描く物語です。
徳島藩のお家騒動で失われた主家の刀を探し、大阪で盗賊に身を変えている十郎兵衛とお弓の夫婦。ある日お弓が一人で家にいるところに幼い順礼娘がやってきます。親を探して西国めぐりをしているという娘の話をよくよく聞くと偶然にも国許に置いてきた娘のお鶴であると知れます。しかし、盗賊の身である自分たちの身内と知れれば娘の身にも危険が及ぶと、お弓は泣く泣くお鶴を帰してしまうのでした。
(C)絵本太功記 尼ヶ崎の段
明智光秀を主人公に本能寺の変前後を描く物語です。全十三段のうち、特に有名で繰り返し上演されるのが「十段目 尼ヶ崎の段」です。
本能寺の変を起こした光秀の行いに怒った母がこもる尼ヶ崎の館。すでに戦が始まっており、光秀の息子十次郎はいいなずけの初菊に自分の事は忘れて幸せになってほしいと願います。しかし、初菊はこれを拒み、十次郎の初陣の祝いとあわせて祝言がとり行われます。十次郎は死を決して戦場へと向かい、見送る女たちは涙にくれるのでした。
キャスト(2015春)
A | B | C |
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坂田峻之介 | 今塚舞桜 | 西村千春 |
石井悠翔 | 三縞柚果 | 岡田凱 |
玉置晴菜 | 飯田織夢 | 近藤月琴 |
椎名洸勝 | 田中桜也 |
その他の演目紹介・キャスト
◆「勧進帳」
◆「菅原伝授手習鑑 車引」
◆「墨塗り」【松羽目舞踊】
◆「かっぽれ」【歌舞伎舞踊】
◆「口上」