今回、若草歌舞伎が上演する演目「弥作の鎌腹」。 講師の先生いわく、「プロがやっても難しい」とのこと。そんな演目をプロではなく、私たち、素人の中高生が本気で演じようとしている。
日本橋社会教育会館での本番まで10日をきった今、若草歌舞伎の私自ら、何人かの出演者に今回の見所などをインタビューしてみた。
━━今回の弥作の鎌腹という演目。この半年間の稽古期間で、特に何に一番苦労した?
和泉(弥作役):やっぱり見所でもある三幕目の切腹のシーンです。死ぬ間際の演技なので、泣いたり息を詰めたりするタイミングをとるのがすごく大変でした。
斉藤(七太夫役):私は女性なので、男である七太夫のあくどい表情や振る舞いをいかに表すかに苦労しました。どうやったら女らしくない、低い声を出せるか研究してました(笑)。
━━今までにやった演目と「弥作の鎌腹」。具体的にどういう違いがある?
和田(和助役):この演目はあまり知られてはいないけど、時代物と世話物を融合した感じ。今までも、大石東下りや浜松屋などの時代世話には挑戦してきたけど、こんなにハッキリと区別をつけなくてはいけないのは初めて。それに加えて、百姓独特のなまりも盛り込まれていたり、お客さんを笑わせたり泣かせたり、一つの演目にこんなにたくさんの要素がつまっているのも魅力の一つだと思います!
━━では最後に、見所をお願いします。
斉藤:一幕目の弥作とおかよの夫婦間のやりとりが一番平和で、見ていて微笑ましくなります(笑)。
和田:一幕目で和助が弥作に秘密を明かす場面が、二人が「兄弟」という感じがして好きです。
和泉:切腹の場面と、二幕目の七太夫とのかけあいに一番力が入りました!
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笑いあり、涙ありの大作に、中高生が中高生らしからぬ顔つきと演技で挑む。素人の10代が、伝統芸能の歌舞伎を一体どこまでできて、どのように表現するのか。ぜひ私たちの芝居を本番の舞台で見ていただきたい。年度末の忙しい時期ではありますが、たくさんのお客様のご来場を心よりお待ちしています。
(Reported by Taiga Ogura[若草歌舞伎])
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