【演目紹介】身替座禅

解説と見どころ

明治四三年初演の松羽目物で、もとは武士の芸能であった狂言「花子」に題材を得て、庶民でも能や狂言を楽しく観劇できるように作られた作品です。大名と奥方、大名と太郎冠者、奥方と太郎冠者の、それぞれのかけひきがみどころです。

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あらすじ

浮気者の大名右京は、毎日のように「会いたい」と文をくれる花子になんとかして会いたいと思っていますが、屋敷にはやきもち焼きの奥方玉の井がいて、なかなか出かけることができません。そこで一計を案じ、「このところ不幸が続くから部屋にこもって座禅をしたい」と言って、なんとか一日だけ家を出ることに成功します。しかも、奥方が座禅の様子を見に来てもばれないように、家来の太郎冠者に身替りで座禅をするように言いつけ、いそいそと出かけて行くのでした。
さて、身替りとなった太郎冠者が座禅衾をかぶっているところに、予想通り玉の井がやってきます。お酒やお茶をすすめても断られた玉の井が「せめてお顔だけでも見せてください」と座禅衾を取り去ると、なんとそこには太郎冠者の姿が。烈火のごとく怒った玉の井ですが、ふと思いつき、今度は自分が身替りに座禅衾をかぶって部屋にこもります。
朝になってほろ酔い加減の右京が帰宅し、昨夜の宴の様子を楽しげに語ります。いつまでも顔を見せない太郎冠者の衾を右京がはぎとると、そこには…。

キャスト

キャスト《2020春》(一)(二)
右京永野 太麒藤原 正男
玉の井奥山 聖也髙橋 奏大
太郎冠者岡田 凱藤原 美華
千枝柴田 一花佐野 綾香
左枝村上 薫子鹿島田 凜月

2020春公演 演目紹介《あらすじとみどころ/配役》
 御存鈴ヶ森
 身替座禅
 越後獅子
 白浪五人男
 口上