【演目紹介】白浪五人男

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みどころ

文久二年(一八六二)江戸市村座初演。本名代「青砥稿花紅彩画」、通称「白浪五人男」で、河竹黙阿弥の数ある代表作のひとつです。四幕目から「稲瀬川勢揃いの場」を上演します。
「白浪」とは泥棒のことで、昔中国で「盗賊」を意味した「白波賊」に由来しています。
今回演じる「稲瀬川勢揃いの場」は、悪事がばれて逃げる五人が、桜咲く土手で捕手に囲まれながら名乗りをあげる名場面で、ここから漫画家・石ノ森章太郎は「秘密戦隊ゴレンジャー」(戦隊モノの元祖)のアイデアを得たといわれます。
鎌倉の地名を読み込み、五人それぞれの個性がよく表れた七五調の名セリフが聞きどころです。

あらすじ

悪事がばれた盗賊団・白浪五人男は、桜が咲き乱れる稲瀬川の土手までとうとう追いつめられます。
頭目の日本駄右衛門を筆頭に、「志ら浪」と書かれた傘を差しながら登場した五人男は、やがて十手を振りかざす捕手たちに取り囲まれます。
ところが、捕手の「動くな」という言葉にも動ぜず、五人はそれぞれに堂々と名乗りをあげるのでした。