【演目紹介】五条橋

gojyobashi 「五条橋」は、能の「橋弁慶」をもとにしたもので、京の五条橋での牛若丸(後の源義経)と武蔵坊弁慶の出会いを描いた舞踊です。身軽に動く少年牛若丸と、大薙刀をふるって打ちかかる荒くれ法師の弁慶との立ち回りがみどころです。今日の大歌舞伎では長唄「橋弁慶」としてかかることがもっぱらですが、今回は義太夫でお届けします。

あらすじ

牛若丸は、源氏再興のための手助けをしてくれる者を集めようと夜な夜な五条橋で人探しをしています。その様子は「五条橋に曲者が出る」とうわさになり、弁慶の耳にも入ります。
「そいつを捕らえて従えよう」と考えた弁慶は、ある夜大薙刀をかついで五条橋に出向きます。橋の上に薄衣をまとった人影を見た弁慶は女人と思って避けようとしますが、その人こそ牛若丸で、弁慶の腕を見ようといたずらを仕掛けます。これぞ曲者と気付いた弁慶も応戦しますが、ひらひらと身軽に動き回る牛若丸を捕らえられず、ついには小太刀で大薙刀を打ち落されてしまいます。恐れ入った弁慶が相手にその名を問い、その人こそ源氏の若武者牛若丸と知れます。
こうして二人は主従の契りを結び、後の世に名を残すのでした。

《2016夏》キャスト 
源牛若丸高橋 遊
武蔵坊弁慶桑原 典史