【演目紹介】三人吉三 大川端庚申塚の場

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みどころ

河竹黙阿弥作。初演は万延元年(一八六〇)一月、江戸市村座。同じ名前の個性的な三人の泥棒が出会い、義兄弟になるまでの一場面です。
「月も朧に白魚の、かがりも霞む春の空…」という七五調の名セリフで知られる傑作です。

あらすじ

お客が落としていった百両を届けようと大川端を歩いていたおとせは、振袖姿の娘に声をかけられます。この娘は、実は女装して悪事をはたらくお嬢吉三でした。お嬢はうそを言って百両を奪うと、おとせを大川へ蹴落とします。
この様子をうかがっていたお坊吉三は、お嬢と百両をめぐって斬り合いを始めますが、和尚吉三が割って入り、二人の争いをおさめます。感服したお坊とお嬢は三人で兄弟分になりたいと申し出るのでした。

こども歌舞伎「三人吉三」登場人物

和尚吉三…もとはお坊さんで、三人吉三の中では兄貴分。
お坊吉三…もとは武士。父の切腹、お家断絶からぐれた。
お嬢吉三…旅役者に育てられ、女形として成長した。
おとせ…生活ために夜遅くまで働いている女の子。