【稽古レポート】史上稀に見る絶対悪をご覧あれ!我が子の死を前に揺れ動く政岡の心[奥御殿]

皆さんこんにちは。八汐役を務めさせていただく杉山史恩です。

今回演じる奥御殿は伽羅先代萩という演目の一部で、江戸時代の伊達家のお家騒動を題材としたものです。

乳母政岡は、与えられた食事に毒が入っていては危ない、と家来が作った食事を鶴千代に与えませんでした。

そんな中、栄御前が鶴千代に毒まんじゅうを差し出し、殿様である鶴千代を守るために千松が代わりに食べて苦しみ始めます。八汐は毒殺がバレないよう千松を殺してしまいます。そして、それを目の前で見た政岡は…

というのが主なあらすじです。

僕が演じる八汐という役は、自分からしてみれば、いわば、絶対悪のようなものです。

千松をなぶり殺しにするような悪者です。

しかし、初回の稽古のとき、先生に「声が優しすぎる」と言われてしまいました。

八汐はセリフこそは多くないですが、ただセリフを読むのではなく、その役の気持ちを考えることこそが重要だと改めて感じさせられました。

本番では、優しくない八汐を楽しみにしてください。

奥御殿で政岡を演じる小林遼羽(りょう)です。

この演目では、幼い主君である鶴千代の乳母・政岡が息子の千松を目の前で殺されてしまうのですが、それにも関わらず主君を守るために敵の前では毅然とした態度を取り、敵を退けた後は悲しみに暮れるという政岡の心の動きを表現しています。

声変わりが始まり、声が低くなってきている僕が女方の声を出すこと、また、主君を守ろうとする強い政岡と息子の死を政岡の心の動きを声や動作で表現することはとても難しく、お稽古でも苦労しています。

もちろん難しいのは政岡だけではありません。演者ひとりひとりの心の動きを表すちょっとした仕草に注目しながら楽しんでもらえると嬉しいです。

Reported by しおん、りょう